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本わさびに含まれる機能性成分「ヘキサラファン」が認知機能を改善

本わさびに含まれる機能性成分 ヘキサラファン(6-MSITC)には認知機能を改善させる効果があることが明らかになっています。 脳科学分野でも注目を集めている本わさびの秘めたるチカラについて考えてみましょう。



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●老化原因である活性酸素

現代人は、紫外線、排気ガス、ストレスなど、体内に活性酸素が増えやすい環境にさらされています。活性酸素は体に必要なものですが、過剰になると強い酸化力で体内の正常な細胞や組織を錆びさせ、老化を促進します。また、認知症の原因といわれているアミロイドβやタンパク質が脳内に蓄積するのも、この酸化ダメージが大きく関与していると考えられています。それを防ぐには、抗酸化力を高めることが重要です。

しかし、人間に備えられている抗酸化力は20代をピークに、年齢を重ねるとともに減少し、40歳を過ぎると急降下します。

●本わさびの驚くべき抗酸化パワー

こうした中、研究によって細胞の抗酸化作用を抑える本わさびの機能性成分「ヘキサラファン(6-MSITC)」が注目されています。ヘキサラファンを3ヶ月間摂取した人の尿検査では、活性酸素の影響を測る酸化ストレスマーカー(8-OHdG)の数値が低下し、ダメージを抑制したことも判明しています。植物由来の抗酸化物質は、赤ワインなどに含まれるポリフェノール、柑橘類などに含まれるリコピンなどが有名です。このような物質にも活性酸素を消去する効能はありますが、ヘキサラファンは活性酸素の発生自体を抑えることができます。さらに、ポリフェノールなどが数時間で体外に排出されるのに対し、ヘキサラファンの抗酸化作用は24時間以上も持続します。

ヘキサラファンは特に本わさびの根茎に含まれていますが、その含有量はごく微量で大変貴重な成分です。ヘキサラファンを効率良く摂取するにはチューブタイプや西洋わさびではなく、すりおろしたての本わさびを食べるのがおすすめです。

●脳科学分野も注目する認知機能の改善作用

認知症の大半を占めるアルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が徐々に死滅し、脳が萎縮していく疾患です。最新の研究では、脳内に蓄積した「異常タウタンパク質」が神経細胞を死滅させ、認知症を進行させる要因のひとつであると考えられています。タウタンパク質は、リン酸化して異常に凝集(分散しているものが集まる)することで毒性が強くなるため、それを防ぐことが認知機能の改善につながると考えられています。

ヘキサラファンが認知機能に与える影響に関するマウス実験によると、異常タウタンパク質を蓄積する変異マウス(タウ変異マウス)に、ヘキサラファンを投与した結果、マウス脳内に蓄積されたタンパク質のリン酸化の減少が確認されました。さらに、Nrf2(遺伝子の発現をコントロールし、体を守るはたらきをする遺伝子)が活性化し、体内の抗酸化酵素が活性化していることも確認されました。Nrf2が活性化することにより、さまざまな抗酸化酵素や解毒酵素を作り出すことができるのです。

このように本わさびから発見されたヘキサラファンの作用は、脳科学に分野でも研究が進められています。

★ヘキサラファン(6-MSITC)を効率よく摂取するには?

ヘキサラファン(6-MSITC)は、本ワサビの根茎に含まれる希少な成分です。同じわさびでも、西洋わさびにはまったく含まれておらず、一般的な常温のチューブわさびは西洋わさびなど他の原料の割合が大きいため、ヘキサラファンを摂取することはほとんどできません。そのため、すりおろしたばかりの生の本わさびを食べるか、ヘキサラファンが配合された加工食品やサプリメントを利用することが最も効率的に摂取できる方法なのです。

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